2006年 04月 30日
金曜は、AXで安藤裕子を観る機会があった。実はどんな人なのかもどんな音楽をやっているのかもまったく知らなかったので、登場の一曲目で沖縄っぽい曲を歌ったときにも「ああ、そういう人なのか」と思ったくらいだったのだが、そのあとは今風のポップが続いた。 実は結局のところあまり印象が残らなかったので、以上。 ****** 何枚か再発のCDを購入。サークル「ネオン」は、もともと持っていたSundazedからの再発よりもさらにシングル・ヴァージョンを大量に追加、決定版となった。 エアー・メイルからは今度は、「モーガン・スタジオ・コレクション」と題して'60年代末~'70年代初頭に発売された幻の英国ポップもの8枚が紙ジャケでリリース。全部買うと特典もあるのだが、とにかくほとんどのアルバムがレア化していて聴いたこともないので、2枚を買うにとどめた。 今回のシリーズではウィル・マローンという人がらみの作品がたくさん出ているが、この人、和久井光司氏監修の「英国ロックの深い森」上巻(2001年)によると、1970年にソロ・アルバムを出したあとは「紫の煙の向こうに姿を消してしまった」ことになっている。まあご本人しゃれたつもりで書かれたのだろうが、今回のライナーによればその後もアレンジャーや作曲家として活躍し、メタリカやヴァーヴといったバンドのアレンジを担当したとのこと。'70年代くらいまでの才人でその後音沙汰がなくなると、すぐ謎にしたがる人たちのおかげで、ずいぶん僕らは胸躍らされてきたものだが、それはそれでいいか。でも、ちゃんとした情報があるならそこはしっかりフォローしてほしいものである。 で、このアルバム。果たして一人多重録音のアルバムってのがいつくらいからあるものなのか知らないが、1970年ということはポール・マッカートニーのファーストとか、エミット・ローズとか、ジャスティン・ヒースクリフとほぼ同じ頃。云わば「はしり」にあたるものなのかと思うが、彼らと同じく非常に内省的な印象のポップアルバムだ(ストリングスはさすがに自分ではやっていない)。きっと録音の方法もすごく原始的で、いろいろ苦労の跡も窺えるような音になっているが、でもしっかりとこの人の世界が作られているのを感じることが出来ると思う。ちょっとデヴィッド・ボウイーのファーストとかに音の感触が近いかも。 もう一枚買ったのが、このウィル・マローン在籍のオレンジ・バイシクルのアルバム。Columbia、Parlophone、Regal ZonophoneとEMI系のレーベルから多くのシングルと1枚のアルバムを出したバンドで、アルバムはParlophoneから。Columbiaからはサイケ・ポップのシングルをリリースしていてそのあたりはコンピレーションが出ているが、1970年リリースのアルバムではちょっとテイストが変わっている。エルトン・ジョンの曲が3曲も取り上げられているのはちょっと謎なのだが、他にもカバー曲が多く、そういう意味では面白みがやや足りないかもしれない。 ボーナス・トラックで初期の曲を入れているので、そちらのフォローもあり。ただし、帯に「ビートルズ等のカヴァーを交えながら」と書かれているにもかかわらず、収録はなし。シングルにビートルズのカヴァーがあるので、当初は収録する予定だったのかもしれないが・・・。 Orange Bicycle ORANGE BICYCLE エアー・メイル・レコーディングス AIRAC-1197, 1970/2006
by deadfunny
| 2006-04-30 03:33
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