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2005年 04月 10日
9.Apr.2005 (Sat)
ビニールジャンキーの同志である石井と話していてお互い認めた話なのだが、欲しいレコードというのは、手に入れるプロセスが楽しかったりするわけで、実際手に入れるとその瞬間おおかたのところどうでもよくなってしまうものなのである。

そのときちょうど発送待ちになっていたレコードは、僕が長年探していたもので、ああこれが届いたことでどうでもよくなってしまったら寂しいものだ、と思っていたのだが、先日ついにそれは我が家にやってきた。

SHTW 800Triple Echo
SOFT MACHINE
Harvest SHTW 800, 1977
ソフト・マシーンの3枚組編集盤で、CDにはなっていない。状態のいいものは1万円以上してしまうもので、そうそう見るものでもない。僕が50ドルそこそこで入手できたのは、箱が一部潰れてしまっているからなのだと思うが、盤の状態は3枚とも良好だ。

このレコードの目玉は、1967年にPolydorから発売された幻のデビュー・シングルの両面が収録されているところにある。ファースト・アルバム以前、デヴィッド・アレン在籍時の音源はこのほかに、ジョルジオ・ゴメルスキーをプロデューサーに迎えたデモ録音や、発売されなかった2枚目のシングル曲「She's Gone」が入っているが、この辺はCD化されている。

で、その最初の2曲を聴く。両方とも作者はケヴィン・エアーズで、1曲目「Love Makes Sweet Music」はキャッチーなサイケ・ポップになっている。2曲目「Feelin' Reelin' Squeelin'」もポップだが、こちらはちょっとデヴィッド・アレンのテイストも入った面白い曲だ。長年の願望が叶い、嬉しいのだが、もともとリリース時にさほど話題にもならなかったような曲であり、音楽自体に受けた感動とかより、手に入れたということに対する満足感、達成感のほうが勝っていることを否定できない。まあ、このオリジナル・シングルに何万円も出すようなことはないだろうということがわかったのは大きいか。

僕が好きなマシーンはせいぜいロバート・ワイアットが在籍していた頃くらいまでなので(「6」以降は聴いたことすらない)、この3枚組を最後まで聴くのはだいぶ先のことかもしれない。でも、1枚目はもう3~4回聴いていたりする。それでいいのだと思う。

<追記> 4.Nov.2005
その後ほどなくリリースされた2枚組ベストCD「Out-Bloody-Rageous - An Anthology 1967-1973」で、デビューシングルの両面が初CD化! いつもこれなんだよな・・・
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0009F2BX0/
(追記ここまで)

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同時にもう一枚届いたのが、ヴァン・ダイク・パークスのファースト「Song Cycle」のUSオリジナル盤。最近実はモノラル盤が存在していたことを知ったのだけど、数万円クラスのアイテムなのでそれは諦め、ゼロひとつ少ない金額で買えるステレオ盤のゴールドレーベルを落札したのである(約20ドル+送料)。

Song Cycle
Van Dyke Parks
Warner Brothers WS 1727, 1968
鳴り出した音の鮮やかさに、ちょっと感動。しばらく聴いていないアルバムなので、CD(UK盤は1曲多いので注意)や国内盤LPと聴き比べないで「こっちがいい」などと断言するのは早計かもしれないが、掴みどころのないアルバムのイメージがちょっと晴れたかな、という印象。ブライアン・ウィルソン「SMiLE」の共作者だったということも、このアルバムの音から容易に伝わってくる。

by deadfunny | 2005-04-10 00:04


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