2006年 08月 13日
12.Aug.2006 (Sat)
会社でたまにMXテレビをつけて見ているときがあるのだが、2、3日前に劇場版「Bugってハニー」を放送していたのには驚いた。大半の人がもう忘れてしまったに違いないが、このアニメ作品の主人公はあの高橋名人である(劇中では「高橋原人」)。仕事をしながら垂れ流しているだけだったのでストーリーなどはまるで追っておらず、ヒロインなのか敵キャラなのかわからないアイドルのようなキャラが、攻撃を受けて苦しむ表現がやたらとサディスティックだったのだけ印象的だった。

さて、ブームから20年経った現在もハドソンに勤務していると言われる高橋名人だが、当時はこの「Bugってハニー」の主題歌をはじめ多くのレコード(~CD)をリリースしていたらしく、また最近もベスト盤が出たり、新曲をリリースしたりと、歌手活動もたまに行っている。けっこう歌も上手かったのだろうか。

まあ、そんなことよりも高橋名人と言えば例の「16連射」だ。1秒間にファミコンのひとつのボタンを16回押すという技で、当時誰もが真似したわけだが、実際出来たかどうかを確認したという話は周りで聞いていない。たしか測定器とかあったよね・・・。

で、高橋名人も実は自分用のコントローラにばねを仕込み、イカサマをしていた廉で捕まったという変な噂が流れた。所謂「都市伝説」というやつだ。

「高橋名人」をWikipediaで調べて、わかったことなども上の文には混ぜてあるのだが、Wikipediaの罪なところは、面白そうな単語がリンク表示されていると、つい本題を忘れて他の項目の解説を読んでしまうところだ。僕はそこで「都市伝説」の項を見てみたのだが、これが非常に面白い。自分が真実だと思っていたことまで、実は「都市伝説」だったことが明記されていて恥ずかしい気持ちにすらなる。

都市伝説 - Wikipedia

「女性の下着着用は、1932年の白木屋火災がきっかけとなった」が所謂「ガセビア」であることは最近知ったが、たとえば「『ロンパールーム』の幼児途中退出事件」がちゃんと事実としては公式に確認されていないことや、「猫レンジ」訴訟が実際は存在しないことなどは知らなかった。また、国内の実例に関しては(最近のものを除いて)だいたい自分も聞いたことがある話だったのは面白かった。

テレビ東京が、湾岸戦争勃発時に「楽しいムーミン一家」を放送していた話は、そのとき自分が見ていたのでよく憶えているが、それは「昭和天皇が亡くなったときに通常放送をしていた」に形を変えて伝播した。事実、そういう記述をよくネットで見かけたものであるが、これまた当日テレビを見ていた記憶どおり、通常放送をしていたのはNHK教育のほうということで再確認できた(放映されていた昔の映画「心の旅路」を、他に選択肢がなく観た記憶がある)。

が、例の「ロンパールーム」の場合は30年前の話である。実際テレビで見た、という証言も多いようだが、本当に見たと間違いなく断言できるものであろうか。「都市伝説」が広がり、その場面のイメージがなんとなく定着してそのまま月日が経つうちに、見た(あるいは「録画を見た」など)という記憶が誤って生成されるということはじゅうぶんあり得る話である。


国家的な話から入社試験面接での出来事、ゲームの裏技まで、眺めてみると、本当にいろんな「レベル」で都市伝説って存在するのね。
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# by deadfunny | 2006-08-13 00:22
2006年 08月 09日
8.Aug.2006 (Tue)
1960年代に活動した伝説的バンド=LOVEのフロントマン、ARTHUR LEEが白血病のため死去

周期的にラヴの「FOREVER CHANGES」がマイブームになる。今年はマシュー・スウィート&スザンナ・ホフスによる「Alone Again Or」のカバーがカッコよかったのがきっかけで、最近も「ミュージック・マガジン」誌でのロディ・フレイムのインタビューで紹介されていたり(ロディは「Oblivious」のギターソロのフレーズは「Alone Again Or」から借用した、と述べているが、「Maybe The People Would Be The Times Or Between Clark And Hilldale」の間違いだろう)、中古で見つけて買った「FOUR SAIL」を聴こうと開けてみたら「FOREVER CHANGES」が入っていたので返品した、なんてことがあった。

リリースのときから買おうとずっと思っていながらそのままになっていたセカンド「DA CAPO」のモノ&ステレオ入りCDが安くなっていたので通販でオーダーしていたところで、届く直前の訃報となった。

ラヴのアルバムは「FOREVER CHANGES」ばかり聴いていて、手元にある他のアルバムはあまり聴けていない。なのであまりわかったようなことは書けないが、でも断続的に活動はしていたにしても、現在の評価を見る限り、1970年代以降のアーサー・リーがかつての輝きを取り戻した瞬間はあまりなかったのだろうと思う。先日亡くなったシド・バレットや、あるいは近年精力的に活動を行っているブライアン・ウィルソンといった人たちと同列に語られることもあるが、他のラヴのメンバーはともかく、アーサー・リー自身はドラッグに染まってはいなかったようである。それだけに継続的なリリースや大きな評価の獲得が出来なかったのが惜しまれるが、「FOREVER CHANGES」で燃え尽きてしまったのだとしても、それはそれで納得できなくもない。

「FOUR SAIL」以降の作品の評価をあまり聞かないので、オススメのものがあれば教えてください。

祈・ご冥福。

Da Capo
LOVE
Elektra Traditions 8122 73604-2, 1967/2002
ISBN : B000066CQ9
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# by deadfunny | 2006-08-09 00:48
2006年 08月 04日
3.Aug.2006 (Thu)
代々木・Zher the ZOOにて、元ライドのマーク・ガードナーのソロ・ライブ。ライドっていったらそりゃもう、僕の1990年代のシンボルみたいなイギリスのギターバンドだ。今回は初のソロ・アルバムに合わせての来日で、フジロックにも出演している。

6時半スタートということで律儀に時間どおりに入場したが、なんと4アーティストが前座に並び、始まったのは9時半くらいか。ビバ'90'sな30代のお客さんには立ちっぱなしは辛いだろうと思ったりして。

ライブはアコースティックの12弦ギター一本によるもので、昔ながらの若々しい青春の歌声に翳りを足したような幽玄フォークロックの世界を作り出していた。新作からの曲が多かったが、ライドの楽曲のアコースティック・アレンジと並べると、根っこにあるものが変わっていないことが窺える。シド・バレットに曲を捧げたり、元マノ・ネグラのマヌ・チャオのカバー(「Bob Marley Song」)を演奏したり、その場でサンプリングした自分の歌声をループさせながら、それに合わせてハーモニーを重ねていったりと、多彩なパフォーマンスで飽きさせなかった。アンコールでは「Drive Blind」も演奏。

ライドはデビューEPが出たときに買ったのが始まりである。1990年代が始まろうとしていた頃、当時18歳の僕は「クロスビート」あたりの情報を頼りにイギリスの若手ギターバンドのレコードを買いまくっていたが、特にクリエイションに関してはレーベル買いをしていた。そこに登場したのがライドだったわけである。

デビュー盤はもちろん気に入ったわけなのだが、誰しもがそうであるように、決定的だったのは2nd EP「Play」の1曲目「Like A Daydream」である。ああ、もうこれに尽きるさ。これだけで僕の青春の数十%は語ることが出来るかもしれない。というわけで、アルバム発表前に行われた最初の来日公演@クラブチッタ川崎、そしてその次の(たしか)NHKホールとライブを観に行った。アルバム「Nowhere」はどこへ行くにも持って行った(取り立ての運転免許といっしょにね)。

シューゲイザーなんて言葉が生まれて、チャプターハウスなんかと並んでライドもその一角とされていた。ただ彼らに関して言えば、アルバム後の初EP「Today Forever」あたりまでがその枠内だったような気がする(コレに入っている「Unfamiliar」を当時アコースティックでカバーしたっけな。今思うとすごく正しかったわけだ)。セカンドアルバム以降は音楽的な変化が続き、最終作「Tarantula」は相棒のアンディ・ベル(現Oasis)が大半の曲を書いた乾いた味わいのアルバムとなった。まあリリース時点で二人の仲が悪くなっていて、解散状態だったわけだが・・・。

それから10年くらい経っているわけである。その間、マーク・ガードナーとローレンス・コルバートがアニマルハウスというバンドを結成してあまり面白くないレコードを出していたことは忘れるとしよう。2002年にライドが再結成して限定のシングル(30分に及ぶノイズ・ジャムを収録しているらしい)を出していたことは、だいぶ後で知ったことなので、知らなかったことにしよう。ボックスやBBC音源集も買ったりしたっけ。まあとにかく10年ぶりにマークは姿を現したのだ。

ソロ・アルバムも結構気に入っている。あの声がまた聴きたくなった人は、手に取ってみては。

These Beautiful Ghosts
MARK GARDENER
United for Opportunity, 2006
ISBN : B000B6TR16
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# by deadfunny | 2006-08-04 01:54
2006年 07月 28日
27.Jul.2006 (Thu)
渋谷・AXにて、マッドネス23年ぶりの来日公演。

どうしても行きたかったライブなのだ。昨年のアルバムを聴いたときにまず思ったのが「ライブで観たい!」というものだったので、とにかく楽しめるんだろうという期待が大きかったのだが、大いに満足させられるものだったのである。

フジロックで観るのを楽しみにしている人もいるかもしれないからあんまり書くと楽しみも減ってしまうかもしれないが、初期のヒット曲はほとんど披露、やたらと外国人率の高い中僕らも負けじと盛り上がった。
2度目のアンコールでは「20年も演奏していない曲をやるよ」と言っていたが、それは僕ら30代半ば以上の日本人なら誰でも知っている、本国ではB面曲だったアレのことである。何百回とプレイしてきたであろう往年のヒット曲のつるべ落とし状態とは比較にならない演奏のこなれてなさに苦笑しつつも、ファンサービスとしては最高である。きっとフジではもっときちっとやってくれるに違いない。

まあ演奏自体が完璧だったなどとは言うつもりはないし、もっと緊張感のある演奏だったらそれはそれで満足度も上がったのかもしれない。でも例えば「It Must Be Love」のコーラス部分でのルーズなタメを利かせたリズム感などはぐっと来るものがあったし、それに、演奏力の完璧さを求めて僕らは集まったんじゃない。気楽に、思い思いに、彼らとの時間を楽しみたかったんだ!

それにしてもマッドネスって貴重なバンドだと思う。誰にも愛されるキャラクター、両手で数え切れないほどのヒットシングルという持ち球の多さ、そしてスタンダードとしての楽曲のパワー。英国労働者階級にしかわからないユーモアやトラジコミカルな部分なんかも大きいんだろうけど、逆に僕らは少しでもそういったものを理解しようとマッドネス(やキンクスなど)を先生にしてたんだっけ。タイプは違うかもしれないが、曲の持つ精神性の根底はザ・ジャムなんかと共通するものがあるように、今日感じた。

やっぱり「ハイ・フィデリティ」のイカれたレコ屋店員・バリー同様、ぜひとも僕の葬式では「One Step Beyond」をかけてもらいたい。もちろんすぐにとは言わない。少なくとも今日のメンバーたちくらいな「ちょい悪オヤジ」を目指さないといけないしね!(笑)

The Dangermen Sessions Volume One
MADNESS
V2 V2CP-216, 2005
ISBN : B0009RJECE
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# by deadfunny | 2006-07-28 01:22
2006年 07月 14日
13.Jul.2006 (Thu)
レコード4枚。

Judee Sill
JUDEE SILL
Asylum SD5050, 1971
先日買ったアサイラム・レコードの本でも、いちおう重要アーティストとして取り上げられていたジュディ・シル。やっぱファーストの完成度の高さにはいつ聴いても脱帽、ということで、USアナログ盤を探してみた。あっさり安価でホワイトレーベルの美品を落札。

Painted Head
TIM HARDIN
Columbia KC31764, 1973
たしか未CD化のアルバムを600円ほどで。カバー集になっているが、選曲は渋め。ウィリー・ディクソン、ジェシ・ウィンチェスター、ランディ・ニューマンなどにまじって、ピート・ハム作のバッドフィンガーのナンバーが2曲も入っているのが面白い。アップル・スタジオやジェフ・エメリックのクレジットもあるので、そんな縁からだろう。全盛期を過ぎての録音と言われるが、好きな音だ。

Model Village / Rickety Frame
THE LOFT
Static Caravan VAN116, 2006
ピート・アスター(ピーター・アスター)がクリエイション・レコーズ黎明期に率いていたバンドが、20数年ぶりに再結成、ヘフナーのダレン・ヘイマンをゲストに迎えて7インチをリリースした。まごうことなき'80's UKインディ・サウンドが聴けるのでご安心を。ピート自身のソロ・アルバムも出るとか出ないとか。

My Stupid Band
THE HIT PARADE
JSH JSH9, 2006
こちらも再始動組で、2003年の復活後たぶん3枚目のシングルになるが、買ってみるのは初めて。かつてのレコードよりもさらに元気が増しているような感じで、アルバムも楽しみになってきた。

その他、PiLの「Metal Box」のアナログ再発(缶入り)も購入。やっぱり好きです。
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# by deadfunny | 2006-07-14 01:46
2006年 07月 12日
11.Jul.2006 (Tue)
シド・バレット死去の報

やはり、特別なミュージシャンである。1970年前後の由緒正しきロック伝説を体現した人物であり、また彼の不在は彼がまだ生存していることにより、よりその意味を特別にしていたと言っていいだろう。かつて「I Know Where Syd Barrett Lives」というタイトルの歌があったが、「どこかで今もなおシドは生きているのだ」という言い方は、エルヴィス生存説やジョン・レノン生存説(そんなものがあるのか知らないが)とはぜんぜん違う種類の、彼に思いを寄せる人の数だけ受け止め方がある、リアルなメッセージだった。

うーん、なんかうまく言えないや。

つまり僕が思うにさ、人生そのものをドロップアウトして30数年、シドはどこかに生きていて、「夜明けの口笛吹き」「帽子が笑う...不気味に」「その名はバレット」「オペル」の各アルバムの印税はたぶん今でも定期的に振り込まれていて、ずっと経済的には安定した生活を送っていたのだけど、その実生活は僕らのロック幻想に応えてくれるような、廃人同様のドラッギーで狂気に満ちた生活だったのかもしれない一方で、懸命のリハビリを乗り越えて精神的にも復活し、ピンク・フロイドのメンバーとも日常的に交流してたりして(絶対どこかで「Live 8」とか観てたんじゃないかと思うんだが)、でも自身が与えられたポジションをよく理解して隠遁を続けることを選んだのかもしれないわけで、もしかしたらあなたの隣人がシド・バレットその人だったのかもしれないという、そんなリアルさって言うのかな・・・。

ちょっと違うな。
でもまあとにかく、シド・バレットはジャニスでもジム・モリソンでもヘンドリックスでもなく、故に特別だったわけで、故に時代の流れとともに変わる世の中と黙してリンクし、見えない大きな影として影響を与え続けてきたわけだ。シド・バレットは、「どこかに生きている」という曖昧な「活動」だけで、凡百のミュージシャンを凌駕し、圧倒的な劣等感に陥れることに成功した稀有な存在だった。そして、そのアーティスト活動についに終止符が打たれ、僕らもシドの暗黙の呪縛から開放されることになるのだ。

今はご冥福を祈ります。そして、後日「シド・バレットの愉快な老後」みたいなのが白日の下に晒され、彼が、幸福な人生を送った世紀の詐欺師だったことが明かされると嬉しいなと思うのです。
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# by deadfunny | 2006-07-12 02:42
2006年 06月 06日
5.Jun.2006 (Mon)
おなじみYouTubeのメンテナンス時に謎のメッセージが出たというニュース。
YouTubeに謎のメンテナンス?画面 (ITmedia News)

20世紀からインターネットが家で使えて、それなりにそのときどきの流行りものについての情報も入ってきていたと思っていたのだが、この画面の元ネタになっている「All your base are belong to us.」(以下、AYB)のことは恥ずかしながら初めて知った。詳しくはWikipediaの説明などに譲るが、ようするに日本のテレビゲームの海外版を出す際に、日本人が翻訳して出来たヘンな英文がどういうわけか連中のツボに入り、瞬く間にこのフレーズが世界に伝播した、という話である。



もともとは「君たちの基地は、すべて我々がいただいた」と言いたかったもので、文法的にはおかしいもののまあなんとか意味は伝わるだろう、というレベルのいい加減な言い回しなのだが、このAYBフレーズを写真などに合成したり、Flashムービーにした作品が数多く誕生、それらを集めたサイトも存在する。なぜ'80年代のゲームの話が突如2000年前後にブレイクしたのかはよく知らないが、英語圏のオタク界隈から派生したジョークアートの合言葉として、現状AYBを知らぬ者はいないかのようになっている。

つまりこれって「ダダ」だよね。我々日本人がバカにされているなどと邪推できるレベルを超えた破壊力で、ほんの一時期ながらも世界を席巻し、そしてこうして今もことあるごとに復活してくる意味不明フレーズ。英語の感覚がよくわからない、という人でも、AYBをどんなビジュアルに取り込んだら笑えるかで競い合った連中のバカパワーの結晶をただ眺めれば、笑えてしまうのではないだろうか。

こちらのサイトがオススメです。)

追記(6月7日):
ここまで書いて、「例の化け物」ことスプーの一件について触れていないのもヘンだよな。ただ、YouTubeで騒いでいるのが日本人だけなら何てことはないが、これが世界的にブレイクすればYouTubeの無法地帯時代を飾る事件として、「AYB」同様にネット史上に記憶されることだろう(すでにYouTubeによる公式削除メッセージまで出たし)。
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# by deadfunny | 2006-06-06 02:35
2006年 06月 02日
1.Jun.2006 (Thu)
ビューティフル・サウスの新作が到着。

Superbi
THE BEAUTIFUL SOUTH
Sony/BMG 82876 83115 2, 2006
いきなりドブロやバンジョーの音が聴こえる曲で始まる。そういえば最近はわりとカントリーっぽい音を出すような曲もあったっけね。とは言っても音楽的にコンサバになりきっているわけではなく、ポップなメロディや曲調は変わらず、そこここに隠し味的に挑戦的な色合いも持ってきている(それこそドブロがアナログシンセのぶよぶよ音と絡んだりとか)。詞に関しては(僕には)難しい表現もありですぐに何か語れるわけではないのだけど、受ける印象は従来どおりか。愛に疲れた、みたいなやつとかね。

正直新しいファンをこのアルバムで獲得するのは難しいかもしれないが、'90年代を彼らの音楽と共に過ごした僕のような人には、前作のカバー集とあわせて是非聴いていただきたい。

******

全然関係ないけど、10年位前に読んで衝撃を受けた一橋文哉「闇に消えた怪人」を、増補された文庫版で再読した。「グリコ・森永事件」の裏側のことなど何一つ知らなかった前回は、あまりの内容にぐいぐいと引き込まれるように読み進んでいったのだが、今回は思い出すように、それでも一気に読みきった。

実はこのちょっと前に同じ人による「オウム帝国の正体」という本も読んでいて、これも当時は知る由もなかった裏事情がいろいろと明かされていて面白かった。どちらにも共通するのは、背後にある大きな力にもとづく事情により、全容の解明はされ得なかったという結論である。

一橋文哉の著作については、ブンヤ魂のこもったドキュメンタリーだと感心する向きもある一方で、フィクションまじりのエンターテインメントだと理解して読んだほうが面白い、というような言い方をする人も多い。結局テレビなどの大手マスコミが相手にしていないじゃないか、というのが根拠のようだが、扱うのもやばい案件で警察も手を出せないわけだから、それは仕方がない(と言ってしまえば勝ちという論法もないかもしれないが)。

そりゃもしかしたら自分の推論を通すためにノンフィクション仕立てで織り交ぜた部分もあるのかもしれないが、取材がうまく行かなかったことに関してはちゃんとその記述もあるし、内容そのものには信頼がおけるのではないだろうか。単に、多くの人にとっては知らなくても生きていけるようなことについて書かれているために、信憑性について疑ってしまうだけなのかもしれない。

まあ大手企業の役員や国会議員にでもならなければ関係ないような話だ。なるつもりの人は心して、そうでない人はエンターテインメントとしてでもいいので、一度は通ってみては。

闇に消えた怪人―グリコ・森永事件の真相
一橋 文哉 / 新潮社
ISBN : 410142621X

オウム帝国の正体
一橋 文哉 / 新潮社
ISBN : 4101426236
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# by deadfunny | 2006-06-02 01:05
2006年 05月 29日
28.May 2006 (Sun)
一週空いたが、とくべつ忙しかったとかではない。ネタがなかっただけといったほうが正確か。

CDの新譜は以下の2作を。

Surprise
PAUL SIMON
Warner Bros. 9362-49982-2, 2006
6年近くぶりの新作。サウンドでブライアン・イーノやチャド・ブレイクが全面的に参加、演奏ではハービー・ハンコック、スティーヴ・ガッドなどの名前が見られる。9・11以降初のソロアルバムになるが、時間が経っているからかこの人だからか、詞の表現としては控えめ。でも「Wartime Prayers」などさすがにぐっと来るような曲も。地球的・宇宙的な広さや深さをテーマにしたようにも見えるし、水に関する単語が太字で印刷されている歌詞も興味深い。

Under the Covers, Vol. 1
MATTHEW SWEET AND SUSANNA HOFFS
Shout! Factory DK97654, 2006
いにしえのペイズリー・ポップが好きに違いない二人による'60年代ものカバー集。曲目を見ただけで聴く前からいいことがわかっているような作品だ。ビートルズやディラン、フー、ビーチ・ボーイズなどの王道から、ゾンビーズ、レフト・バンク、ラヴなどの「はまりそう」な曲、さらには意外なところではフェアポート・コンヴェンションまでを取り上げ、愛情溢れる完コピが否が応にも盛り上げてくれる。オススメ。

その他アナログでは、ピーター・ブレグヴァドやスクリッティ・ポリッティの12インチ、デフ・スクールのベティ・ブライトのソロLP(プリンスの「When You Were Mine」カバー収録)など。
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# by deadfunny | 2006-05-29 03:28
2006年 05月 19日
18.May 2006 (Thu)
チャンピオンズリーグ決勝、バルセロナ-アーセナル戦は、めちゃめちゃ面白い試合だった。18分でのアーセナルGK・レーマンの退場の判定に大きく試合は左右されてしまったのだけど、そこからアーセナルが先制して折り返したことで、(まあバルサが逆転するだろうとは思っていたけど)一瞬たりとも目が離せない展開に。まあ、何度も衛星回線が乱れて映像が途切れたんだけどさ・・・。

イングランドサッカー好きなのでアーセナル視点でずっと見ていたが、アシュリー・コールがあそこまでやれるんだったらワールドカップのイングランドには明るい話題だ。キャンベルもよくやってたし。そして一人少ないなか前線に張ったりディフェンスに戻ったりと孤軍奮闘したアンリには惚れ直した。W杯でホナウジーニョ率いるブラジルにリベンジを挑むのも楽しみにしたい。

******

先日ボーナストラック付きのリマスターCDで買い直した故アラン・ハルのファースト「Pipedream」(Charisma)がよくて、結局セカンドも2曲多いCDで買ってしまった。

Squire
ALAN HULL
Warner Bros. Masters 81227 3593-2, 1975/2001
人懐っこくて味わい深い、愛すべき一枚。実はファーストよりこっちのほうが好きだったりする。ボーナストラックは、シングルのA面曲と未発表曲が1曲ずつ。

そしてさらにBBC録音の2枚組なんてのも。

When War Is Over
ALAN HULL
NMC Music PILOT37, 1998
1973年~'75年に録音されたBBCセッションから計11曲と、1975年のライブ9曲(ジャケットには10曲クレジットされているが「Dealer's Choice」は入っていない)。ファーストのボーナストラックにもここから使われているものがある。名曲「Gin and Tonics All Round」が2ヴァージョン、「One More Bottle of Wine」が3ヴァージョン入っているのがいい(ホントかよ?)。

ついでにエルトン・ジョンのRocket Record Co.からリリースされたRadiatorというグループ名義のアルバムと、サード・ソロも聴き返したけど、もうちょいといったところだった(ともに未CD化)。
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# by deadfunny | 2006-05-19 01:11