2009年 07月 23日
22.Jul.2009 (Wed)
ウィルコの諸作から遡ってということで、アンクル・テュペロのアルバムでも聴いてみようと思ったんだった。入荷待ち承知でオーダーしていた1st~3rd の3枚(すべてAmazonで800円台)が意外と早く届き、まずはファーストを何度か聴いているところ(昨日書いたやつも繰り返し聴きつつ)。

1990年発表のファースト「No Depression」は、オルタナティヴ・カントリーなるジャンルを確立した名作とのこと、このタイトルを冠した「No Depression」誌なる雑誌で紹介されたものをオルタナ・カントリーと呼ぶ、みたいな状態にもなったこともあり、一種象徴的なアルバムらしい。

No Depression

Uncle Tupelo / Columbia/Legacy



実際聴いてみての感想は後に回すとして、さてはて果たしてオルタナ・カントリーなるものについて僕は当時どれだけ意識していただろうか? 少なくとも1990年、ということは大学に入った年だけど、当時は例えば「クロスビート」誌あたりを参考に、マンチェやらクリエイションやらUKロックばかり聴いていて、アメリカのインディ・シーンは気にしていなかった、かもしれない。ソニック・ユースやダイナソーJr.くらいしか知らなかっただろうな(グランジ以前の話なのだから、「オルタナティヴ」なんて単語も使っていなかったのではないだろうか)。まあ、当時の雑誌を引っ張り出したらレコ評くらいは載っているのかも知れないが、どれだけ日本で紹介されていたのかはよくわからない。アンクル・テュペロも4枚のアルバムをリリースしているらしいが、全然記憶にないんだよなあ。あ、でもジェイホークスくらいは知っていたかな。

カートが死んでベックが登場するあたりから、「アメリカン・ゴシック」なんて言葉をよく耳にするようになったことを思い出す。僕にとってのベックが初めて印象づけられたのは「Loser」でも「メロウ・ゴールド」でもなく、その次に発売された「One Foot In The Grave」だったりするのだけど、ああいうフォーキーのダークサイドのイメージが、そのまま「オル・カン」に繋がったり・・・なんて勝手に想像していたり(たぶん間違っている)。アンクル・テュペロが解散してウィルコとサン・ヴォルトが同時期にデビューしたことは、後追いで知ったような気もすれば、当時知っていたような気もする。音は聴いていなかったが。ウィルコの3作目「Summerteeth」はリリースされて1年くらい経ってから中古で買っている(当時の最新作)が、どうしてこれを手に取ったのかはまったく思い出せない。

で、「No Depression」。想像していたよりもカントリーっぽくなくて聴きやすく、けっこう気に入っている。テレキャスっぽい乾いたエレキの音や、なんかいかにもボディのでっかそうなアコースティック・ギター(ジャケット見るとそうでもないが)の音がカントリーっぽいが、ノイジーなカッティングが性急なビートに乗っかると、パンク以後に実直にロックとカントリーの融合を図った、バーズ(in 1968)的な方法論もうかがえる、のかも。

ブックレットには元メンバーによる詳細回顧録が載っていて、これで勉強しつつ、グランジ前に咲いたオルタナ・カントリーなるジャンルの意味性について自分なりに考察するのも、'90年代以降のアメリカン・(オルタナティヴ・)ロックを検証する上では重要な作業かもしれない。まあ、そんな作業をする暇はあまりありませんが(笑)

(待てよ、R.E.M.の「Out Of Time」なんてその影響下だったりするのかな?)
[PR]

# by deadfunny | 2009-07-23 01:17
2009年 07月 22日
21.Jul.2009 (Tue)

Under the Covers, Vol. 2

Matthew Sweet & Susanna Hoffs / Shout! Factory



2006年の「Vol. 1」はサイケデリア近辺に焦点を当てた選曲だったわけだけど、今回は'70年代編。「パワー・ポップ」の元祖的なラズベリーズ、トッド・ラングレン(2 曲)、ビッグ・スターは真っ当だが、あとは意外や渋め。意表をつく、というほどでもなく、リトル・フィートもトム・ペティもカーリー・サイモンも、普通に馴染んでいる感じ。ちなみにグラムは「All The Young Dudes」一曲(笑)。元ビートルズはジョン、ジョージのみでポールはなし(ウィングズあたりははまりそうなのだが)。

バックメンバーは前作同様リック・メンクが全曲で叩いていて、グレッグ・リースのギターもほぼ全編で聴けるが、今回はカバーされたオリジナルのアーティストのゲスト参加もあり、フリートウッド・マックのリンジー・バッキンガム、イエスのスティーヴ・ハウがギターを弾いている。またジョージ・ハリスンの曲では息子のDhaniが登場。

選曲の渋さもあって、前作に感じられたトキメキのようなものは後退しているが、飽きずに聴けるアルバムではあると見た。あれ、次はエイティーズやっちゃうの??(だとしたらすっげえ楽しみなんですけど!)
[PR]

# by deadfunny | 2009-07-22 00:53
2009年 07月 03日
2.Jul.2009 (Thu)
ご存知のとおり、先月マイケル・ジャクソンが急死した。と言われても、未だにピンと来ないところがあるのだが、どうやら本当のことらしい。「50歳」というのもまるでリアリティがないが。

小学6年生のときに洋楽を聴き始めたのだけど、そのときチャートを席巻していたのがアルバム「スリラー」と、そこからカットされた数々のシングル曲だった。とは言っても、そのときHot 100を上昇していたのはたしか「P.Y.T.」で、この曲はPVもなかったはず。ポール・マッカートニーとの「Say Say Say」と、アルバムからの最後のシングル「Thriller」が続くわけだけど、あれ、「Billie Jean」や「Beat It」はどのタイミングで知ったんだったか('83年末に見た年間チャートの番組?)。

アルバムはわざわざ誰かに借りたり買ったりしなくても、ほぼ全曲知っていたので、だいぶ後になって中古盤で買うまでは持っていなかったな。「スリラー」に関して言えば、いいとか悪いとかは超越した、究極のポップ・スタンダードという認識。

ジャクソンズ(「VICTORY」)や「We Are The World」があって、「BAD」が出たのが1987年。CDプレーヤーが我が家にやってきた年で、たしか兄が初めて買ったCDが「BAD」だった。CD自体の珍しさもあって、毎日のように聴いた(聴かされた)ため、これまた全曲よく知っている。一所懸命ワルぶろうとしているのだが、品の良さは抜けきれるはずもなく、このバランスが取れるにはもう一作待たなければいけない。またもや登場したアル・ヤンコヴィックによるパロディ曲&PVも忘れがたい。ちなみにプリンスは'87年「Sign O' The Times」、翌年「Black Album」もとい「Lovesexy」。いい時代です。

1991年、「デンジャラス」のときもたしか兄が買ったのを聴いていた。「Black Or White」はスラッシュじゃなくてマコーレー・カルキンのイメージ。「Remember The Time」こそが個人的マイケル最大の名曲(エンディングのアドリブ歌唱は壮絶)。シングルカットごとに作られるショートフィルムとやらはなかなか全編を見られなかったっけ。

そのあとはそれぞれ実家を離れたこともあって、マイケルの新作が出てもわざわざ買って聴いたりはしていなかったが(あまり楽曲に魅力を感じていなかったというのもある)、マイケルという存在自体は無視できないどころか、ある種の指針であり続けた。明らかにクレイジーでエキセントリックなんだけど、邪心のようなものをうかがい知ることの難しい、純心さみたいなものが逆に恐ろしいというか(「Heal The World」とか真顔で言われてしまうと)。

2001年の、結果的にはオリジナル最終作となってしまった「インヴィンシブル」をリリースと同時に買ったのはなぜだったんだろう? 「やっぱりマイケル・ジャクソンが好きだ」と気づいたからか? お金がたっぷりかかっていることは、R&Bやブラコン、ヒップホップに日頃馴染みのない僕でもちょっと聴けばわかる。でも、ポップでキャッチーな曲はほとんど入っていない、不気味な情念が渦巻く怪作で、事実セールス的には苦しんだという。その後の裁判闘争などもあって経済的に逼迫するマイケルだが、この作品が彼の人生におけるターニングポイントとなってしまったのかもしれない。'80年代には陽のマイケル・陰のプリンスという表裏の関係を意識させられることもあったが、この頃にはむしろプリンスのほうがアッパーで、マイケルはダウナーな音楽をやっていたという感じか。印象だけど。

亡くなった日を境に旧作は売れまくり、すでに国内では計35万枚のバックオーダーが来ているとのこと。僕も7月に出る紙ジャケは買ってしまうかもしれない。そして、そうやってマイケルは一日一日過去のものになっていくんだろう。まだちょっと信じられないが。

もうカラオケで「Billie Jean」の「アッ」「ダッ」「ヒーヒー」「アーォ」etc.を完コピするなんて芸は笑えなくなるのかしら。もっと研究しようと思っていたのに・・・。今月から始まる予定だったロンドン公演での復帰が実現しなかったことは本当に惜しまれる。


まだ「マイケル、ありがとう!」とか言う気分にはなれない。マイケルのような人物に対して、亡くなりました、冥福を祈ります、みたいなお決まりのつまらない物言いをするなんてことは、僕には出来ない。
[PR]

# by deadfunny | 2009-07-03 01:22
2009年 05月 30日
29.May 2009 (Fri)
たまたま応募していたジェフ・バックリィのドキュメンタリーフィルムの試写会に当選し、没後12年の5月29日、乃木坂のSMEに出かけてきた。立派なステージのあるあの会場は、SMEの何なんだろうか。

上映された映像は2004年に公開され、6月に世界的にDVDが発売になる「Amazing Grace」というドキュメンタリー作品で、ロスからニューヨークに拠点を移し、デビューから死までを本人の映像や関係者のインタビューで追うという内容のもの。映像が残っていないからかもしれないが、父親へのトリビュートライブでステージデビューをしたみたいな話は黒歴史ということで、触れられていない。

デビュー前の小ヴェニューでの演奏シーンやツアーバスでの表情など、今まで見たことのなかった映像をたくさん見られて、またドキュメンタリー自体の出来もよく、60分はあっという間に過ぎた。本人の映像に関しては今までどこかしらで発表されてきたものなのかもしれないが、詳しいことは知らない。

生前唯一のアルバム「Grace」(1994年)を、当時それほど聴き込んだ憶えはない。評判は聞いていたが、買ったのは国立のディスクユニオンで中古盤を見つけたときだったような気がするので、僕が国立を離れて独り暮らしを始める1995年の6月よりは前ということになるか。だいぶ遅れて手に入れたので何となくテンションも上がらず、また、ヘヴィでややとっつきにくい音楽は当時の自分の趣味とは相容れるものではなかったのかもしれない。ただ、自分の知っている音楽のどれとも似ていないというところで何かが引っかかっていたのか、あるいはあまりの評判の高さにこれはちゃんと聴き直して自分なりに理解しないとと思ったのか、たまに聴き返すことはあったと記憶している。来日公演は観ず。

グレース

ジェフ・バックリィ / ソニーレコード


僕がこのアルバムで当初印象に残っていたのは、レナード・コーエンの「ハレルヤ」をカヴァーしていたことだった。なぜかここ数年でいろんなヴァージョンがチャートを賑わしスタンダード化したこの曲、自慢じゃないがこの時点で僕は知っていた。1991年に発表されたレナード・コーエン・トリビュート「I'm Your Fan」のラストを飾る、ジョン・ケイルによるヴァージョンである。レナード・コーエンのことはよく知らないにもかかわらず、参加ミュージシャンが悉く僕好みだったので買ったのだけど(ハウス・オヴ・ラヴ、ジェイムズ、ピーター・アスター、ロイド・コール、などなど)、結果的に一番楽曲・演奏とも印象づけられたのが「ハレルヤ」だった。聖書をモチーフにしたと思われる箇所の多い歌詞はわかりにくいのだけど、今日の上映で字幕つきで見るとなかなかに感動的なフレーズが随所に現れ、詩人という人種の凄さの一端を知ることが出来たような気がした。

I'm Your Fan: The Songs of Leonard Cohen By...

Various Artists / Oscar


だいぶ話が逸れた。ジェフの訃報を知らされたときは、あれ、そう言えば最近名前を聞かなかったな、とか、そんなことを思ったような気がする。結局「素描」も発表当初は重過ぎて何度も聴けなかったし(ジェネシスのカヴァーは意外さもあって面白く聴いた)、ライヴ盤の類いも出れば買ったり買わなかったり。メチャメチャ好きです、というわけでもなかったのだけど、「Live At Sin-e」の拡大盤は強烈過ぎた。あれで何か意識が変わったかもしれない。

ライブ・アット”Sin-e”(Legacy Edition)

ジェフ・バックリィ / Sony Music Direct


きっかけは忘れたのだけど、今年になってジェフの作品を集中的に聴いていた時期があり、ようやく作品の奥深い世界に手が届きかけているような実感を得たところで、今回の試写会となったというわけである。

今日会場で前説などをやっていたソニーの担当氏は僕と同い年とのことだったが、リアルタイムでは彼の音楽に触れることはなかったと言っていた。自分のような音楽ファンが一人でも減るよう、多くの人に「ジェフ・バックリィ、いいぜ」と伝えてほしい、と。試写会に入れてくれたお礼の意も含めつつ、ここは6月にリリースされるという「Grace」の日本のみの紙ジャケリリース(「Grace EP」の曲を追加した3枚組)と、上記ドキュメンタリーのDVDを宣伝しておく。

グレース+EPs

ジェフ・バックリィ / ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル



グレース・アラウンド・ザ・ワールド [DVD]

ジェフ・バックリィ / ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル


[PR]

# by deadfunny | 2009-05-30 02:41
2009年 05月 15日
15.May 2009 (Fri)

Factory Records: Communications 1978-92

Various Artists / Factory/Rhino



年末くらいに出ていたらしいファクトリーの4枚組ボックスを購入。

つづきをよむ
[PR]

# by deadfunny | 2009-05-15 09:02
2009年 05月 04日
3.May 2009 (Sun)
清志郎が亡くなった。覚悟は出来ていたこととは言え、やっぱり克ってほしかったな。

地元の先輩(小中学校が同じ)ということもあって小さい頃から親しみを感じていたのだけど、実はそれほど熱心に聴いていたわけではなかった。ライヴで観たことはないかな・・・。多摩蘭坂はじめ所縁の地名もよく知っていたりするが、中学時代に「僕の好きな先生」のモデルがそのときいた老美術教師なのではという噂が流れたりもした(実際は日野高校時代の教師らしい)。

最初に知ったのはたぶん坂本龍一とのアレで、その後RCの「OK」あたりは友達にテープを借りて、リアルタイムで聴いた記憶がある。あとは兄がRC好きだったので、高校のときはベストアルバムのCDを横でよく聴いたりして、代表曲は憶えたっけ。

学生の頃にバンドでコピーしたことがあった。「ベイビー、逃げるんだ。」だったか「自由」だったか「ドカドカうるさいR&Rバンド」だったか? 初期のフォーク時代の歌もやったことがあった(「国立市中区3-1(返事をおくれよ)」という変わったタイトルの歌)。なぜかどれも僕が歌ったのだけど、全然うまく真似できなかった(笑) あとなぜか「パパの歌」のCDシングルも持ってるぞ。

あとはタイマーズなんかも印象深い活動だったけど、日本で本当にロックな生き様を見せてくれる数少ない人物が地元の先輩というのは、常に誇らしかったっけね。自分が生まれ育った土地なので何も特別なものを感じていなかったのだけど、やはり中央沿線で思春期を過ごすことは音楽的には特別なことだったのかもしれない。国立には大学もあればディスクユニオンも昔からあったし。

なにか、そう、国立駅のあの三角屋根がなくなったときのような寂しさ。

改めて、本当に残念です。冥福を祈ります。
[PR]

# by deadfunny | 2009-05-04 00:03
2009年 04月 30日
30.Apr.2009 (Thu)
'80年代初頭に活躍し、「Come On Eileen」という世界的なヒット曲を放ったバーミンガムのデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズについて。

なぜ今かって、まあ中古でセカンドのデラックス・エディションを安く拾えたので買って聴いたところ、改めていろいろ引っ張り出したくなるくらい心躍らされてしまったからという、非常に個人的な事情によるものなのである。サイモン&ガーファンクルはどうしたのだと言われたら、それはそれ、これはこれなのである。

Too-Rye-Ay

Dexys Midnight Runners / Universal



つづきをよむ
[PR]

# by deadfunny | 2009-04-30 23:59
2009年 04月 27日
27.Apr.2009 (Mon)
思いつくままに書いたので、かなりとりとめないです。'60年代のアメリカン・ロックにおいて、ビーチ・ボーイズやヴェルヴェット・アンダーグラウンドなどを差し置いて、僕がどうしてもS&Gが一番好きだと言ってしまうそのわけとは・・・

・・・例えばビーチ・ボーイズだったらブライアン・ウィルソンっていう天才がいて、表向き能天気なポップソングを量産し、それを維持させたいほかのメンバーと彼のアーティスティックな欲求が相反したために起きた様々がロック的だったりするのが興味深いわけで、そういう意味では人によってビーチ・ボーイズ観がそれぞれあって、それを同好の士同士であれこれ言い合うことで自分のビーチ・ボーイズ観を見つけ、それを自分の音楽観の拠り所とすることが出来る(もしくはそういう気分になれる)わけだ。

VUというのは存在自体がある種の指針だと思っている。「VUに共感(あるいは共振、共鳴)する」という時点でこっち側と向こう側の境界を越え、必ずや生きざまに「VU的なもの」が反映され、手のつけられない・・・まあ、そこまで行かないまでもどっかめんどくさい奴に生まれ変わってしまい、結局のところはロックンロールに人生を救われる結果にという。自分で書いてて意味不明なところもありますが、何となくでも伝わっていれば・・・

あとはディランですか。あるいはバーズとかザッパとかドアーズとかザ・バンドとか。上記みたいなことが何か書けそうですが、割愛。つまりはどれも「好き」というのとはちょっと違うかな、みたいな。そりゃ好きは好きだけど、「好きだ」と表明することにはちょっとした躊躇が生じてしまうんだよね。

翻ってS&Gだけど、明らかに革新的でビートニクでクールであるにも拘らず、どうにも過剰なロック的アイコンみたいなイメージはそぐわないところがまずポイント。表面的にはジェントルで行儀がよく、またフォークソングのカテゴリーで捉えているような人には逆にコンサバな存在に見えてしまうかもしれない。ちゃんとアルバムを聴いてみると、実験的なサウンドもあれば勢い任せな曲もあったりするのだけど、たぶん食わず嫌いなロックファンも多いのではないかな。ポール・サイモンがロンドン放浪時代にデイヴィ・グレアムらと知り合って仕入れたイギリス産のフォークソングなんてのもロック史的には重要だと思うのですが・・・インパクト足りないよね。

ハーモニーが武器という意味ではビーチ・ボーイズみたいなポップセンスだって持っていないわけではないし、ニューヨークの空気という意味ではVU と同じ時代を生きていたのだからどこか共通するものだってあるだろうし(←ちょい強引)、鋭いメッセージを独自のレトリックで包むポール・サイモンの詩作はディランとともにロックの詞世界を拡げたわけだから、・・・と書いたらこんなにカッコいいアーティストはないのではないかと思ってしまうのですが、どのエッセンスも極端には飛び出してこないわけで、そのバランスのよさ(そしてポップへの昇華ぐあい)が最高なわけですよ。

結局のところS&Gは、躊躇わずに好きと言っていい存在なわけです。



・・・なんてのも本当は後付けで、小学生の頃、ビートルズよりも先に愛聴してたというのが決定的だった、というのが、僕が彼らを好きな理由としてのオフィシャルのものとしておきます(笑)
[PR]

# by deadfunny | 2009-04-27 23:59
2009年 04月 26日
26.Apr.2009 (Sun)
前回(もう16年も前とは)を観ていないので、今度のサイモン&ガーファンクルの来日公演は観ておきたい気もするのだけど、そんな最中に発掘音源CD「Live 1969」がようやく一般発売されたので聴いてみた(昨年スタバ限定で発売されていたものらしい)。ラスト作「明日に架ける橋」録音終了後・発売前に行われた1969年10月・11月の全米ツアーの録音で、デュオのスタイル以外にバンド形態での演奏も含まれている。メンバーは、ジョー・オズボーン(ベース)、ハル・ブレイン(ドラムス)、フレッド・カーターJr.(ギター)、そしてラリー・ネクテル(キーボード)。

Live 1969

Simon & Garfunkel / Sony Legacy



この時期にバンドで全米ツアーをやっていた(そしてライヴ盤が計画されていた)なんて話は全然知らなかったので、半信半疑で開封しつつも、バンドでのライヴ音源を聴けただけでもう半泣き状態ですよ。「明日に架ける橋」アルバムからは、タイトル曲も、「Song For The Asking」も、「Why Don't You Write Me」も、「So Long, Frank Lloyd Wright」も、(これはすでにシングルで発売されていたが)「The Boxer」も演奏されていて、これらのライヴ音源がとくに嬉しかったのは言うまでもないか(「Cecilia」とかも聴きたかった)。あとはバンド版の「Mrs. Robinson」とか。
('70年代に発売された「Greatest Hits」収録の4曲のライヴ音源はこのときのツアーのものだということが今回明らかになったが、すべてアコースティック)

結局このあと解散状態になってしまうわけだから、結果的には(再結成を除くと)デュオ最後の姿をとらえたもの、と言うことも可能だ。時代背景も含め、このときのS&Gというものがある種の特別な意味を持ちそうな気が急にしてきた。

あまりここで書いたことはないかもしれないけど、S&Gって個人的には'60年代のアメリカのアーティストの中で一番好きかもしれないんだよね。VUとかビーチ・ボーイズとかより。
[PR]

# by deadfunny | 2009-04-26 23:59
2009年 03月 14日
14.Mar.2009 (Sat)
ウェディング・プレゼント来日公演、木曜の東京初日に行ってきたのでご報告(@O-nest)。

ウェディング・プレゼントっていったらそりゃもう(以前も書いたに違いないが)僕の青春のバンドリストトップ5には確実にランクインする、イングランド北部出身のギターバンドのことなわけですが、高校生の頃にたまたま手に入れたコンピレーション「Tommy」に何か引っかかるものを感じて(衝撃を受けた、というのとはちょっと違った)、その後のメジャー移籍、そしてウクライナ民謡カバー集に面白いものを感じつつ、傑作アルバム「Bizarro」で聴かれる疾走感と誠実さ、ちょっとのポップさに凄さを覚えて、以後20年の付き合いにいたる、というわけで・・・

Tommy

The Wedding Present / Reception



Ukrainian John Peel Sessions

Wedding Present / Fresh Ear



そのあとスティーヴ・アルビーニと組んでシングルやアルバムを出し、1992年には毎月新曲を出すシングルシリーズ「Hit Parade」を敢行、僕も毎月一週目に西新宿で7インチ盤を見つけて買うのを楽しみにしていた。翌年、来日。ゼミの友人でかなり地味な男と行ったのだけど、彼がウェディング・プレゼントが好きだったというのがつくづく面白い話だった、とか・・・

The Hit Parade [Camden Deluxe]

The Wedding Present / Sony/BMG



その後移籍を繰り返し、僕が入ったレコード会社からもアルバムを出したりしたが、'90年代後半に名前をCineramaと変えて、ウェディング・プレゼントは消滅したかに見えた。のだけど、数年前に名前を戻し、アルバムもリリース。そして16年ぶりの来日公演。

開演前に物販コーナーに立つリーダーのデヴィッド・ルイス・ゲッジとちょこっとだけ会話。「16年前も来たのよ、俺」「それはどうも」みたいな。現地で会った谷やん(大学のサークル仲間)と飲んでいたら、同じテーブルの男性が話しかけてきたので、しばらく会話したのだけど、住んでいたところは違えどやはりこの年代のUKロック好きが通ってきた道は大差ないのだということを今さらながら確認。やっぱリリー・フランキーを育てたのは俺らだよね!とか(このネタわかる人いるだろうか)。

いきなり名曲「Kennedy」で幕を開けたライブは、アンコールなしで新旧織り交ぜながら突っ走って1時間半ほどで終わった。トレードマークの高速ギターカッティングも堪能、実直さがまるで変わっていないところもいい。再編後の曲もよいが、やはり'90年代前半までの曲が盛り上がる。「Brassneck」、「Blue Eyes」、「Crawl」、「Dalliance」、「Corduroy」、「My Favourite Dress」、「Come Play with Me」、「Flying Saucer」、「Crushed」、などなど・・・でも、現役感が感じられる歌や演奏だったので、懐かしさに震えるとかそういうのじゃなかったかな。今後の活躍にもまだまだ期待できるというか。

会場にいた客は4分の1くらいは外国人で、残りの日本人のうち90%以上は1970年前後の生まれであろうと推測される。まあつまり若い世代にとっては存在すらまともに認識されていないであろうバンドに違いないのだけど、それはそれでいいかとも思う。今の若者にとってのウェディング・プレゼント的な立ち位置のバンドがあるのかは知らないが、彼らは音楽だけでない部分で僕ら世代に大きな何かを残していたのだと思うし、そういうバンドは後追い的な聴き方では理解されにくいのはしょうがないのだから。
[PR]

# by deadfunny | 2009-03-14 20:00