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2009年 07月 23日
22.Jul.2009 (Wed)
ウィルコの諸作から遡ってということで、アンクル・テュペロのアルバムでも聴いてみようと思ったんだった。入荷待ち承知でオーダーしていた1st~3rd の3枚(すべてAmazonで800円台)が意外と早く届き、まずはファーストを何度か聴いているところ(昨日書いたやつも繰り返し聴きつつ)。

1990年発表のファースト「No Depression」は、オルタナティヴ・カントリーなるジャンルを確立した名作とのこと、このタイトルを冠した「No Depression」誌なる雑誌で紹介されたものをオルタナ・カントリーと呼ぶ、みたいな状態にもなったこともあり、一種象徴的なアルバムらしい。

No Depression

Uncle Tupelo / Columbia/Legacy



実際聴いてみての感想は後に回すとして、さてはて果たしてオルタナ・カントリーなるものについて僕は当時どれだけ意識していただろうか? 少なくとも1990年、ということは大学に入った年だけど、当時は例えば「クロスビート」誌あたりを参考に、マンチェやらクリエイションやらUKロックばかり聴いていて、アメリカのインディ・シーンは気にしていなかった、かもしれない。ソニック・ユースやダイナソーJr.くらいしか知らなかっただろうな(グランジ以前の話なのだから、「オルタナティヴ」なんて単語も使っていなかったのではないだろうか)。まあ、当時の雑誌を引っ張り出したらレコ評くらいは載っているのかも知れないが、どれだけ日本で紹介されていたのかはよくわからない。アンクル・テュペロも4枚のアルバムをリリースしているらしいが、全然記憶にないんだよなあ。あ、でもジェイホークスくらいは知っていたかな。

カートが死んでベックが登場するあたりから、「アメリカン・ゴシック」なんて言葉をよく耳にするようになったことを思い出す。僕にとってのベックが初めて印象づけられたのは「Loser」でも「メロウ・ゴールド」でもなく、その次に発売された「One Foot In The Grave」だったりするのだけど、ああいうフォーキーのダークサイドのイメージが、そのまま「オル・カン」に繋がったり・・・なんて勝手に想像していたり(たぶん間違っている)。アンクル・テュペロが解散してウィルコとサン・ヴォルトが同時期にデビューしたことは、後追いで知ったような気もすれば、当時知っていたような気もする。音は聴いていなかったが。ウィルコの3作目「Summerteeth」はリリースされて1年くらい経ってから中古で買っている(当時の最新作)が、どうしてこれを手に取ったのかはまったく思い出せない。

で、「No Depression」。想像していたよりもカントリーっぽくなくて聴きやすく、けっこう気に入っている。テレキャスっぽい乾いたエレキの音や、なんかいかにもボディのでっかそうなアコースティック・ギター(ジャケット見るとそうでもないが)の音がカントリーっぽいが、ノイジーなカッティングが性急なビートに乗っかると、パンク以後に実直にロックとカントリーの融合を図った、バーズ(in 1968)的な方法論もうかがえる、のかも。

ブックレットには元メンバーによる詳細回顧録が載っていて、これで勉強しつつ、グランジ前に咲いたオルタナ・カントリーなるジャンルの意味性について自分なりに考察するのも、'90年代以降のアメリカン・(オルタナティヴ・)ロックを検証する上では重要な作業かもしれない。まあ、そんな作業をする暇はあまりありませんが(笑)

(待てよ、R.E.M.の「Out Of Time」なんてその影響下だったりするのかな?)
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by deadfunny | 2009-07-23 01:17
2009年 07月 22日
21.Jul.2009 (Tue)

Under the Covers, Vol. 2

Matthew Sweet & Susanna Hoffs / Shout! Factory



2006年の「Vol. 1」はサイケデリア近辺に焦点を当てた選曲だったわけだけど、今回は'70年代編。「パワー・ポップ」の元祖的なラズベリーズ、トッド・ラングレン(2 曲)、ビッグ・スターは真っ当だが、あとは意外や渋め。意表をつく、というほどでもなく、リトル・フィートもトム・ペティもカーリー・サイモンも、普通に馴染んでいる感じ。ちなみにグラムは「All The Young Dudes」一曲(笑)。元ビートルズはジョン、ジョージのみでポールはなし(ウィングズあたりははまりそうなのだが)。

バックメンバーは前作同様リック・メンクが全曲で叩いていて、グレッグ・リースのギターもほぼ全編で聴けるが、今回はカバーされたオリジナルのアーティストのゲスト参加もあり、フリートウッド・マックのリンジー・バッキンガム、イエスのスティーヴ・ハウがギターを弾いている。またジョージ・ハリスンの曲では息子のDhaniが登場。

選曲の渋さもあって、前作に感じられたトキメキのようなものは後退しているが、飽きずに聴けるアルバムではあると見た。あれ、次はエイティーズやっちゃうの??(だとしたらすっげえ楽しみなんですけど!)
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by deadfunny | 2009-07-22 00:53
2009年 07月 03日
2.Jul.2009 (Thu)
ご存知のとおり、先月マイケル・ジャクソンが急死した。と言われても、未だにピンと来ないところがあるのだが、どうやら本当のことらしい。「50歳」というのもまるでリアリティがないが。

小学6年生のときに洋楽を聴き始めたのだけど、そのときチャートを席巻していたのがアルバム「スリラー」と、そこからカットされた数々のシングル曲だった。とは言っても、そのときHot 100を上昇していたのはたしか「P.Y.T.」で、この曲はPVもなかったはず。ポール・マッカートニーとの「Say Say Say」と、アルバムからの最後のシングル「Thriller」が続くわけだけど、あれ、「Billie Jean」や「Beat It」はどのタイミングで知ったんだったか('83年末に見た年間チャートの番組?)。

アルバムはわざわざ誰かに借りたり買ったりしなくても、ほぼ全曲知っていたので、だいぶ後になって中古盤で買うまでは持っていなかったな。「スリラー」に関して言えば、いいとか悪いとかは超越した、究極のポップ・スタンダードという認識。

ジャクソンズ(「VICTORY」)や「We Are The World」があって、「BAD」が出たのが1987年。CDプレーヤーが我が家にやってきた年で、たしか兄が初めて買ったCDが「BAD」だった。CD自体の珍しさもあって、毎日のように聴いた(聴かされた)ため、これまた全曲よく知っている。一所懸命ワルぶろうとしているのだが、品の良さは抜けきれるはずもなく、このバランスが取れるにはもう一作待たなければいけない。またもや登場したアル・ヤンコヴィックによるパロディ曲&PVも忘れがたい。ちなみにプリンスは'87年「Sign O' The Times」、翌年「Black Album」もとい「Lovesexy」。いい時代です。

1991年、「デンジャラス」のときもたしか兄が買ったのを聴いていた。「Black Or White」はスラッシュじゃなくてマコーレー・カルキンのイメージ。「Remember The Time」こそが個人的マイケル最大の名曲(エンディングのアドリブ歌唱は壮絶)。シングルカットごとに作られるショートフィルムとやらはなかなか全編を見られなかったっけ。

そのあとはそれぞれ実家を離れたこともあって、マイケルの新作が出てもわざわざ買って聴いたりはしていなかったが(あまり楽曲に魅力を感じていなかったというのもある)、マイケルという存在自体は無視できないどころか、ある種の指針であり続けた。明らかにクレイジーでエキセントリックなんだけど、邪心のようなものをうかがい知ることの難しい、純心さみたいなものが逆に恐ろしいというか(「Heal The World」とか真顔で言われてしまうと)。

2001年の、結果的にはオリジナル最終作となってしまった「インヴィンシブル」をリリースと同時に買ったのはなぜだったんだろう? 「やっぱりマイケル・ジャクソンが好きだ」と気づいたからか? お金がたっぷりかかっていることは、R&Bやブラコン、ヒップホップに日頃馴染みのない僕でもちょっと聴けばわかる。でも、ポップでキャッチーな曲はほとんど入っていない、不気味な情念が渦巻く怪作で、事実セールス的には苦しんだという。その後の裁判闘争などもあって経済的に逼迫するマイケルだが、この作品が彼の人生におけるターニングポイントとなってしまったのかもしれない。'80年代には陽のマイケル・陰のプリンスという表裏の関係を意識させられることもあったが、この頃にはむしろプリンスのほうがアッパーで、マイケルはダウナーな音楽をやっていたという感じか。印象だけど。

亡くなった日を境に旧作は売れまくり、すでに国内では計35万枚のバックオーダーが来ているとのこと。僕も7月に出る紙ジャケは買ってしまうかもしれない。そして、そうやってマイケルは一日一日過去のものになっていくんだろう。まだちょっと信じられないが。

もうカラオケで「Billie Jean」の「アッ」「ダッ」「ヒーヒー」「アーォ」etc.を完コピするなんて芸は笑えなくなるのかしら。もっと研究しようと思っていたのに・・・。今月から始まる予定だったロンドン公演での復帰が実現しなかったことは本当に惜しまれる。


まだ「マイケル、ありがとう!」とか言う気分にはなれない。マイケルのような人物に対して、亡くなりました、冥福を祈ります、みたいなお決まりのつまらない物言いをするなんてことは、僕には出来ない。
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by deadfunny | 2009-07-03 01:22