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2006年 07月 28日
27.Jul.2006 (Thu)
渋谷・AXにて、マッドネス23年ぶりの来日公演。

どうしても行きたかったライブなのだ。昨年のアルバムを聴いたときにまず思ったのが「ライブで観たい!」というものだったので、とにかく楽しめるんだろうという期待が大きかったのだが、大いに満足させられるものだったのである。

フジロックで観るのを楽しみにしている人もいるかもしれないからあんまり書くと楽しみも減ってしまうかもしれないが、初期のヒット曲はほとんど披露、やたらと外国人率の高い中僕らも負けじと盛り上がった。
2度目のアンコールでは「20年も演奏していない曲をやるよ」と言っていたが、それは僕ら30代半ば以上の日本人なら誰でも知っている、本国ではB面曲だったアレのことである。何百回とプレイしてきたであろう往年のヒット曲のつるべ落とし状態とは比較にならない演奏のこなれてなさに苦笑しつつも、ファンサービスとしては最高である。きっとフジではもっときちっとやってくれるに違いない。

まあ演奏自体が完璧だったなどとは言うつもりはないし、もっと緊張感のある演奏だったらそれはそれで満足度も上がったのかもしれない。でも例えば「It Must Be Love」のコーラス部分でのルーズなタメを利かせたリズム感などはぐっと来るものがあったし、それに、演奏力の完璧さを求めて僕らは集まったんじゃない。気楽に、思い思いに、彼らとの時間を楽しみたかったんだ!

それにしてもマッドネスって貴重なバンドだと思う。誰にも愛されるキャラクター、両手で数え切れないほどのヒットシングルという持ち球の多さ、そしてスタンダードとしての楽曲のパワー。英国労働者階級にしかわからないユーモアやトラジコミカルな部分なんかも大きいんだろうけど、逆に僕らは少しでもそういったものを理解しようとマッドネス(やキンクスなど)を先生にしてたんだっけ。タイプは違うかもしれないが、曲の持つ精神性の根底はザ・ジャムなんかと共通するものがあるように、今日感じた。

やっぱり「ハイ・フィデリティ」のイカれたレコ屋店員・バリー同様、ぜひとも僕の葬式では「One Step Beyond」をかけてもらいたい。もちろんすぐにとは言わない。少なくとも今日のメンバーたちくらいな「ちょい悪オヤジ」を目指さないといけないしね!(笑)

The Dangermen Sessions Volume One
MADNESS
V2 V2CP-216, 2005
ISBN : B0009RJECE
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by deadfunny | 2006-07-28 01:22
2006年 07月 14日
13.Jul.2006 (Thu)
レコード4枚。

Judee Sill
JUDEE SILL
Asylum SD5050, 1971
先日買ったアサイラム・レコードの本でも、いちおう重要アーティストとして取り上げられていたジュディ・シル。やっぱファーストの完成度の高さにはいつ聴いても脱帽、ということで、USアナログ盤を探してみた。あっさり安価でホワイトレーベルの美品を落札。

Painted Head
TIM HARDIN
Columbia KC31764, 1973
たしか未CD化のアルバムを600円ほどで。カバー集になっているが、選曲は渋め。ウィリー・ディクソン、ジェシ・ウィンチェスター、ランディ・ニューマンなどにまじって、ピート・ハム作のバッドフィンガーのナンバーが2曲も入っているのが面白い。アップル・スタジオやジェフ・エメリックのクレジットもあるので、そんな縁からだろう。全盛期を過ぎての録音と言われるが、好きな音だ。

Model Village / Rickety Frame
THE LOFT
Static Caravan VAN116, 2006
ピート・アスター(ピーター・アスター)がクリエイション・レコーズ黎明期に率いていたバンドが、20数年ぶりに再結成、ヘフナーのダレン・ヘイマンをゲストに迎えて7インチをリリースした。まごうことなき'80's UKインディ・サウンドが聴けるのでご安心を。ピート自身のソロ・アルバムも出るとか出ないとか。

My Stupid Band
THE HIT PARADE
JSH JSH9, 2006
こちらも再始動組で、2003年の復活後たぶん3枚目のシングルになるが、買ってみるのは初めて。かつてのレコードよりもさらに元気が増しているような感じで、アルバムも楽しみになってきた。

その他、PiLの「Metal Box」のアナログ再発(缶入り)も購入。やっぱり好きです。
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by deadfunny | 2006-07-14 01:46
2006年 07月 12日
11.Jul.2006 (Tue)
シド・バレット死去の報

やはり、特別なミュージシャンである。1970年前後の由緒正しきロック伝説を体現した人物であり、また彼の不在は彼がまだ生存していることにより、よりその意味を特別にしていたと言っていいだろう。かつて「I Know Where Syd Barrett Lives」というタイトルの歌があったが、「どこかで今もなおシドは生きているのだ」という言い方は、エルヴィス生存説やジョン・レノン生存説(そんなものがあるのか知らないが)とはぜんぜん違う種類の、彼に思いを寄せる人の数だけ受け止め方がある、リアルなメッセージだった。

うーん、なんかうまく言えないや。

つまり僕が思うにさ、人生そのものをドロップアウトして30数年、シドはどこかに生きていて、「夜明けの口笛吹き」「帽子が笑う...不気味に」「その名はバレット」「オペル」の各アルバムの印税はたぶん今でも定期的に振り込まれていて、ずっと経済的には安定した生活を送っていたのだけど、その実生活は僕らのロック幻想に応えてくれるような、廃人同様のドラッギーで狂気に満ちた生活だったのかもしれない一方で、懸命のリハビリを乗り越えて精神的にも復活し、ピンク・フロイドのメンバーとも日常的に交流してたりして(絶対どこかで「Live 8」とか観てたんじゃないかと思うんだが)、でも自身が与えられたポジションをよく理解して隠遁を続けることを選んだのかもしれないわけで、もしかしたらあなたの隣人がシド・バレットその人だったのかもしれないという、そんなリアルさって言うのかな・・・。

ちょっと違うな。
でもまあとにかく、シド・バレットはジャニスでもジム・モリソンでもヘンドリックスでもなく、故に特別だったわけで、故に時代の流れとともに変わる世の中と黙してリンクし、見えない大きな影として影響を与え続けてきたわけだ。シド・バレットは、「どこかに生きている」という曖昧な「活動」だけで、凡百のミュージシャンを凌駕し、圧倒的な劣等感に陥れることに成功した稀有な存在だった。そして、そのアーティスト活動についに終止符が打たれ、僕らもシドの暗黙の呪縛から開放されることになるのだ。

今はご冥福を祈ります。そして、後日「シド・バレットの愉快な老後」みたいなのが白日の下に晒され、彼が、幸福な人生を送った世紀の詐欺師だったことが明かされると嬉しいなと思うのです。
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by deadfunny | 2006-07-12 02:42