2009年 04月 30日
30.Apr.2009 (Thu)
'80年代初頭に活躍し、「Come On Eileen」という世界的なヒット曲を放ったバーミンガムのデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズについて。

なぜ今かって、まあ中古でセカンドのデラックス・エディションを安く拾えたので買って聴いたところ、改めていろいろ引っ張り出したくなるくらい心躍らされてしまったからという、非常に個人的な事情によるものなのである。サイモン&ガーファンクルはどうしたのだと言われたら、それはそれ、これはこれなのである。

Too-Rye-Ay

Dexys Midnight Runners / Universal





最初の活動期間では3枚のアルバムがリリースされているが、ネオモッド的な文脈で語ることも辛うじて可能なファースト「若き魂の反逆児を求めて」、「Come On Eileen」などフィドルの音が哀愁を誘うセカンド「女の泪はワザモンだ!!」の2作に人気が集中し、3作目はあまり語られない(だいぶ後になって「Director's Cut」なる改訂版が出ているのだが)。

「Young Soul Rebels」期はストレートにノーザン・ソウル、ブリティッシュR&Bをパンク的に解釈した、荒削りで勢いのある演奏が何と言ったってバツグン(死語)である。冒頭の「Burn It Down」はデビュー・シングル「Dance Stance」と同じ曲だが、コレに関してはシングル版のほうが弾けているか。ケヴィン・ローランドのヴォーカルはすでに完成している感がある。「Geno」は全英No.1曲なので彼らが「一発屋」であるという認識はぜひ改めてほしいのだが、どうも日米ではそう簡単には直してもらえなさそうで。

そして大幅なメンバーチェンジを経てのセカンド・・・と言うのは簡単だが、実はファーストとセカンドの間にまた別のデキシーズがあったことは案外知られていない。第1期デキシーズがあっけなく解散状態になり、立て直しを図ったケヴィン・ローランドが再編した幻の(ってのも大袈裟か)第2期、オフィシャルリリースはシングル3枚「Plan B」「Show Me」「Liars A to E」のみ、もちろんセカンド収録のものとは別ヴァージョンである(「Plan B」と「Liars A to E」が該当)。

相変わらずブラスのメンバーを並べた大所帯でツアーしたということもあってか、ここでさらに財政難に陥り、それでもフィドルなどのメンバーを増強しEXILE化し、最後の賭けに打って出た第3期も「The Celtic Soul Brothers」シングルが当たらず、そしてその次が例の「Come On Eileen」、アルバムも大ヒット、しかし・・・という歴史がさらに続くのだけど、それはさておき第2期である。シングル3枚だけではこの時期についていろいろ語るには材料が少なすぎたのだが、2007年リリースのCD「The Projected Passion Revue」で全貌が明かされることになった。シングル両面の6曲のほか、1981年5月30日のBBC「In Concert」音源(9曲)、同年7月9日のBBC「Richard Skinner Session」音源(3曲)を収録。セカンドで発表されることになる曲も演奏され、どん底期のある意味もっとも熱いデキシーズを堪能できるというわけで(ちなみにリチャード・スキナー・セッションにはもう一曲「Dubious」が残されているのだが、それは別の発掘音源CDで聴ける)。正直ライヴでの演奏は若干難アリな気がしないでもないが、演奏の熱さの前ではどうという問題ではない。

The Projected Passion Revue

Dexys Midnight Runners / Universal/Mercury



セカンドアルバムは、何と言っても個人的なデキシーズ・ベストトラックの「Let's Make This Precious」が入っているというだけで相当ポイントが高いし、アルバムとしての完成度もファーストに負けていないのだが、よくプロデュースされているところが良くも悪くも作用して、どうにも気軽にいつでも聴きたいというのとも違うような気がしている(同時期・同プロデューサーによるマッドネスとかもね)。デラックス・エディションについているライヴセットもかなり完成度が高くなり、一つの到達点を感じさせるのだけど、それはそれで逆に物足りないというか・・・。ファーストとセカンドの間辺りが聴いてみたいという向きには、迷わず薦められるのが「The Projected Passion Revue」というわけである。

例えば最初期のライヴ音源とかどんなものなのかとか、第2期よりちょい前?ミック・タルボットがいたときはどんなだったのかとか、まだまだ明かされていない部分が多いような気がするデキシーズ、2004年の再結成(2曲新曲を出した)のあとはまた音沙汰がなくなってしまったのだけど、ぼちぼち新しいニュースを聞かせてほしいもの。
[PR]

by deadfunny | 2009-04-30 23:59


<< 3.May 2009 (Sun)      27.Apr.2009 (Mon) >>