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2005年 08月 23日
22.Aug.2005 (Mon)
エルトン・ジョン1975年の名作「キャプテン・ファンタスティック・アンド・ザ・ブラウン・ダート・カウボーイ」が、30周年記念ということで9月に2枚組Deluxe Editionで発売されるという話。

Captain Fantastic and the Brown Dirt Cowboy
ELTON JOHN
Mercury, 1975/2005
ISBN : B000AOF9UW
内容は、1枚目にオリジナル・アルバムと、同時期のシングル曲(レノンの「One Day at a Time」カバー含む)、2枚目はアルバム発表を記念した全曲演奏ライブで、これは初登場音源になる。制作期間も短い中作られたアルバムなので、未発表曲などはなし、またデモ録音の公開もなさそうである。

本編に関しては、20年聴き続けている作品なのでもはや冷静に紹介することなど出来っこない。エルトン・ジョンとパートナーの作詞家バーニー・トーピンの、出会いからデビューまでの日々を歌に綴った一種のトータル・アルバムで、鉄壁のエルトン・バンドによるレコーディングとしては(いったん)最後のものとなる。内省的な部分も多く湛えた内容だが、絶頂の人気を反映して米ビルボード史上初の初登場一位を記録したというオマケもついている。

とにかく曲、演奏、アレンジ、すべてにおいて「優れた」作品だと思う。同時期に録音されたという前作「Caribou」ではエンターテイナー路線に傾き過ぎたきらいもあり、それはそれでもちろん彼の魅力ではあるが、そんな中果敢に自叙伝的な作品に挑み、そしてポップ作品としてもじゅうぶん成立させ、世間に認めさせたわけだから、もう最強である(と同時に、一つのピリオドの終わりでもある)。

シングル曲は「Someone Saved My Life Tonight」だが、これまた6分以上の大きなスケールを持った曲と、一見ちょっとポップの常識からは外れたかに見えるが、長さを感じさせない展開は見事。数あるエルトンの名曲の中でも特に好きな歌の一つだ。そして最後を飾る「Curtains」。訥々と置かれる希望に満ちた言葉、そして歌唱・演奏。このアルバムに何かの終わりを感じてしまうのは、この曲の壮大なエンディングのためかもしれない(ジェフ・バックリィがライブのレパートリーにしていたという話を聞いたことがあるが、CD化はされていない。これは聴いてみたいのだが・・・!)。

今回初登場となる2枚目のライブには、ホントに大期待である。1975年のライブ音源はたぶん今まで正式に発表されたことがないので(CD、映像とも)、それだけで「生きててよかった」という感じなのだが、演奏されるのが「キャプテン」全曲をアルバムの曲順どおりと来たものだから、堪らないにもほどがある。UKロック史の空白を埋める貴重な発掘と言ってもいいだろう、たぶん。

このあと新バンドで2枚アルバムを作ったエルトンはしばしの休業期間に入る。そして1979年、パーカッションのレイ・クーパーとともにソ連にツアーに出かけたのだが、そのライブ映像も昨年「25周年記念」として海外ではリリースされている(ビデオ時代よりも画質・音質は上がっているらしい)。10月に国内盤が出ることになったので、そちらも楽しみだ。

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来週の至言:
「こんなに女がアグレッシブに動くのを見たのは初めてだぜ・・・」(by tk@「あいのり」)

by deadfunny | 2005-08-23 00:07


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